製造業のトランスフォーメーションの3つの目的とは

ものづくりシステムを3つに分けて、その目的を紹介したい

①製品(仕事)の品質が良くなるツール
 企業は人で組織化されている。その中で生み出される製品やサービスの良し悪しは、そのプロセスを推進している仕事そのものの良否に依存している。人は能力や経験が異なり、結果もばらつくものである。組織は管理者のマネージメント手法も異なり、継続的な管理が行われていないことも多い。そのような人と組織が生み出す製品はその仕事の良し悪しが反映されているものである。そこに誰でも継続的に同じレベルの仕事が行えるツールが必要になる。

②エンジニアリングや間接部門の仕事を全体最適化するツール
 生産現場の改善とはエンジニアリング(計画力)の不備を是正し、修正するための活動であるとも言える。本来、人の仕事にはミスがつきものである。また、計画時に正しかったことは生産の条件変化、市場ニーズ変化などで正しくなくなることが世の常である。そのため、現地現物となって顕在化する問題を生産現場は必死に改善している。しかしその発生原因は、計画業務の仕事の質に問題があることが多いのである。したがって、設計や生産現場、生産計画部署などの仕事をトータルで支援する全体最適意思決定ツールが必要である。製品開発段階におけるチームの能力差は、生産活動そのものに大きな差を与えるものである。

③マニュファクチャリングの標準化の大きなPDCAツール
 仕事の順番などの手続きは標準化が進んでいる。しかし、技術的な検討を行うときの判断方法などは個人の経験に大きく依存している。管理者はこれを標準化する責任があるが、技術は常に進歩し、環境変化とともに判断指標も変化する。その結果、判断は個人の能力で行われている。これらの為に結果的に標準化が遅れている。そのために製造現場には問題が発生してしまうのである。


 製品開発段階の仕事のアウトプットに対し、その結果を表す生産現場の状況を調査、分析することで企業内に大きなPDCAが回る。それによりエンジニアリングの問題が顕在化し、標準化するこができる。


 しかし、現場の仕事は分かり難い動きをしている。分かり難いから、ベテラン経験者を海外工場に派遣し、現地工場の指導をすることから脱皮することができない。現場の仕事は原価、品質、生産性、安全などに人や設備や部品・材料が関係し、それぞれが関係し合っている。企業の縮図ともいえる。現場の実体を知り、課題を共有することができれば、それぞれの計画業務が標準化する。


 分かりにくいマニュファクチャリングの標準化にはエンジニアリングの標準化が必要である。そのためにはエンジニアリング業務と工場の管理業務は計画と結果の関係である。工場の仕事に間接部門はもっと責任を持つべきであるし、工場に任せていては、欧米の科学的アプローチに遅れしまうのである。

製造業のデジタルトランスフォーメーションはデータモデルが完成している必要がある。

社内の情報システムは役に立っているか棚卸しすること

トヨタ生産方式には、2つの柱があった。ジャストインタイムと自働化である。
ジャストインタイムを情報システムとして解釈すると次のようになる。必要な時な必要なデータを必要な分だけ集めることである。必要な時とは、ユーザがデータ検索行為をしたときである。インターネットの検索ほど、意図しないことが多く出現し、無駄な時間を費やすことはない。自社のシステムであれば、このように無駄な検索をユーザーにさせないことが重要である。

 しかし、この時、ユーザの欲することがシステム的に保証されていなければならない。意味のあるデータであること。一日前のデータなんかでは意味がないとすれば、一般的にシステム設計者は必要な日にちを任意に指定するように開発するであろう。ところが、多くの場合、必要な時とは、例えば一時間前とか、現在の最新ということであり、何の指定もなければ、そのような検索を行なうように開発すべきである。一番困ることは、システムの勝手な検索ロジックになっていることである。

検索表示に時間が掛かっていると、思考が中断して、仕事にブレーキである

 毎回毎回、その最新時刻からの検索のロジックではユーザーの仕事の効率化は図れない。システム開発設計には一般化が必要だが、ユーザ適用には特殊化が必要なのである。したがって、一般化システムの上に、特殊化機能をもたせる設計手法がフレキシブルである。必要なデータを処理する際にも、不用意に大きなテーブル全体を対象にしてしまうこともある。でも、その処理はユーザーには全く分からないのであるから、真剣にロジックを考え、レスポンスに対し責任を持つ必要がある。

 レスポンス時間を考えるならば、もっと慎重な設計をするはずだ。このレスポンス時間は、ユーザにとってもっともムダで嫌われる時間である。しかし、SEのなかでこのレスポンスを目標値を示し、設計してくれる方にお会いしたことがない。そもそも、システムの設計指標としてレスポンス時間があるはずである。完成後にチューニングといい方では、情けない。どのような設計をしたら、ユーザを待たせないレスポンスを得られるかを予測できるようでなけらばならない。

考え事をしながら本を読むなら紙媒体を選択する

 本を読み、ぺらぺらめくったりすることがある。この操作性のよさはなかなかコンピュータで実現できないのである。あるときは半分だけめくり戻すなんてことも本なら可能であるから。これも本だからの検索手法である。情報システムでは、この機能をどのように実現することができるのかを、もっと考えて欲しいものだ。

 もともとトヨタ生産方式はムダの排除を根底に考えられているシステムである。それがゆえに情報システムでも設計思想として通じるところが多い。そもそも情報システムも人の仕事のムダの排除が目的なのであるから、何がムダであるかをよく考えてシステム設計しないと目標の効果は得られない。

 また、改善という手法がトヨタ生産方式にあるが、これもよく似通っている。すこしづつ、仕事のやり方を改革し、人の思考を助けるには、いくつかの機能が必要である。必要な情報を収集する。集まった情報を整理・解析する。解析した結果から何らかの結論を得る。その結果を具体的に表現する。これらの過程のどこか一部分だけをシステムが支援していることが多いが、結論を出して、行動に移すこと、更に、その結果をモニタリングし、次の改善に繋がるところまで開発実現させないと価値がない。

情報をつなげることは容易ではない。簡単にデジタルトランスフォーメーションは進まない。

 この中でうまくできていないのが、情報の整理と解析、そして結果を得ることだと思う。これらはトヨタ生産方式で言うところの自働化ができていないのである。整理と解析には決まった手法が一般的にあるものではなく、個々の仕事における経験的なものがベースになっている。情報の整理と解析には、その過程で未取得のデータを取得することも必要である。仮説と検証の繰り返しになることばかりである。

 人間が仮説として対策案を生み出すものであるがゆえに、通り一変に情報整理と分析を自動化することは難しい。しかし、その事を難しいと言うことで当初から考えることを放棄してしまっていないだろうか。私達の仕事を効率化したいと思うのであれば、どのような事を、どのような観点で分析をし、どんな自動化の可能性があるかを考える必要がある。要する完全なるデータベースの構造設計は、完成することはなく、常に改造し続けることになるということである。

 もし、改造を避けるならば、観点を替えたりして、業務のルールを変更することなどで、目的の結果を得ようとする必要な検討行為がなされなければいけない。しかし、この行為は本質的解決にはならないのである。

 この時、思考錯誤ではあるが、システム的には一つのアプローチが考えられる。それは、どのような目的でどのような観点について過去のベテランはなにをしていたかがよりどころとなるのである。

 この本来、継承が難しい経験的なものを蓄積していけばいくつかの検討のケースに役立つはずである。この思考プロセスを情報として蓄積するようにすればよい。これが自働化である。ここを実施しないとエンジニアの時間を短縮することはできないのである。この自働化のシステムはきっと、インタラクティブな方法でコンピュータと会話しながら進めるものになるはずだ。人それぞれの思考プロセスがあるが、しかし、そのプロセスでなければいけないルールが存在する時には、その思考プロセスを採用するように警告を出すような自働化が必要である。

 コンピュータはどんなことでも答えを出してくる。しかし、それはコンピュータが出した答えでしかないのである。意味の無い解を出されても困るし、信用できないし、かえって時間を無駄にする情報となることがある。情報過多かつフェイクがあるようにこの時代において、ユーザが信用できる答えを導き出すようなシステムが必要である。その為にも、知識の記録方式を研究しなければいけないと思う

デジタルトランスフォーメーションを推進して、ものづくりの無駄、仕事の無駄、システムの無駄をなくす

トヨタ生産方式の無駄概念

トヨタ生産方式はムダの徹底的排除の考え方に基づき、造り方の合理性を追求し構築されたシステムである。これの柱は2つ。ジャストインタイムと自働化である。物を造る場合の理想的な状態は機械、設備、人などが無駄なく付加価値を高める仕事をしていることにある。この理想状態を実現するために、各工程、工場などにおいていろいろな手法を研究したものがジャストインタイムである。ジャストインタイムは必要なときに必要なものを必要なだけ各工程に供給することである。

 もう一つの柱は自働化である。スイッチを押せば自働で動く機械は多い。近年の設備は高性能になり、高速化している。なにかちょっとした異常が起きた時に、スクラップづまりをおこしたり、タップ破損で不良が出始めると,多くの不良の山をすぐ築いてしまう。

不良品をつくることは働いたことにもならないし、また、仕事をしたとも言えない。単に動いただけである。ニンベンのある自働化が強調されるのは、機械に良し悪しの判断をさせる装置をくみこんであることが必要という考え方。この良否を判断するために標準作業を定義し、これにあてはまらない時には欄を止めるということ。

管理者はすぐその原因を直し、改善し標準作業のなかに組み込む。これを繰り返すことで、良い製品が安く造れると考えたのである。一人の管理者が多くの自働機を管理下において運営するには、普段から目で見てわかるようにしておかねばならない。ここに目で見る管理の考え方が生まれる。

トヨタ生産方式はトヨタ自動車様のホームページをご覧ください

情報システムも人が減らなければ価値はない

 情報システムは本来、人間の思考を助ける為にある。いろいろな情報システムに接してみると本当に効果があるのか怪しいことがある。
情報システムは効率化にならないといけない。質の向上と言う効果で終わらせることは出来ないと思う。

そもそも、ある質を確保する為の投入工数があり、そこにシステムを導入するのであるから、その工数は減らないといけない。更に、質をレベルアップするには、もっと多くの工数をかけなければならないので、もっと大きな工数低減になっているはずである。しかし、この見込みの質向上と見込みの投入工数はマネージメントには了解されにくい。


 事実、現在の人員を減らしたいのであるから、今の仕事を何人でやれるようになるのかが重要である。
 1つのケースを考えてみよう。社員一人一人が勤務時間を紙に記録していたとする。それぞれの勤務時間は会社の規定に当てはまって勤務する必要がある。紙に毎日勤務時間を記入するのに必要な時間はきっと1分もあれば十分である。しかし、あるとき、管理部門が情報システムを構築した。そのシステムに毎日勤務時間入力をすることになった。この時、管理部門は、部署別の残業推移などや勤務ルールに一致しているかをチェックするためにこのシステムを導入した。


 しかし、そのシステムの仕組みがあまりよくないので、入力に5分かかってしまう。1000人の会社であれば、無駄な時間が4000分、つまり67時間/日の損失である。言い換えれば定時勤務の 8人の従業員をムダにしているのである。管理部門が5人で実施して仕事ならば、このシステムはむだを発生するシステムである。 
 
 しかし、入力を工夫することにより、30秒で実施できるならば効率的なシステムである。このように、多くのシステムにおいて、入力の時間をよく吟味する必要があるということだ。入力工数は情報システムにおいて無駄だと思わないといけない。情報システムの本質は人間の思考を短縮化することなのだから。情報システムは遠隔地のデータを簡単に取得できることと、もう一つは多くの人達とデータ共有できるメリットがある。

 多くの人の手間をどのように解決できるかを十分にシステムエンジニアは検討すべきである。情報システムの外部仕様は必ず、ユーザの活用する画面設計から着手するようにしている。このように進めると、どのようにデータをいれるのか、どんなデータでなにをどのように見たいかなど、自然とユーザは考えるようになる。そして当然、そのシステムの目的などもクリアになっていく。

 SEはユーザに提案することも大切であるが、後の運用を考えるとどれだけ,ユーザに考えさすかである。少しづつ、自分の持っている方向にユーザを誘導できるくらいの洞察力と緻密さを持たねばならない。そうでなければ、日本の生産性は向上しないだろう。

製造業のコミュニケーション基盤としてのCKWEB2開発の背景

メモの方法の進化と停滞

メモの方法がノートからカードシステムへ。ノートからパソコンに変化してきた。この間に忘れ去られた思想がある。それはアイデアをどのように成長させるかについての工夫と機能である。 
 
 PCへの記録には、アプリケーションと呼ぶ、やっかいなものが介在している。ノートならなかったこの制約。ましてやカードシステムになり切れないソフトウエアなのである。

 このようなことで創造力が発揮されたり、成長させたりできるとは思えない。メモの組み直しができないのである。これしかないように強制されたこれらのことに反発してしまうのは私だけだろうか?

メモの置き場が分散化される乱立するクラウドサービス

 更にクラウドサービスが拍車をかけている。メモの保存先を勝手に変えてしまうのである。私は昔からMacが好きである。しかし、仕事はWindowsである。仕事がWindowsになってしまうと面倒で仕方ない。どちらでも良いようになぜならないのだろうか。本来共通性と守るべきことが無視され、システムの技術的競争にユーザーの利便性を低下させている。キャビネットである保管先まで、クラウドに自動で分けられ、アイデアを整理する上位概念での分類ができなくなっている。ローカルなPCや記録装置にデータを置くのは外出時に仕事ができない。

 みなさんはどうでしょうか。個人の知的好奇心の結果が仕事の成果にもつながるようにならねばいけないと思うのであるが、仕事と個人とで使うアプリが異なるのは困るのである。
個人の興味と仕事の選択をする人が増えている時代となってきて、そうならねば人生が面白くないはずだ。

弊社がCKWEB2を開発した理由がここにある

 書いている間に忘れそうで必死に書く。湧き出る水を飲まなければ溢れ出す心配。
個人と仕事をツールで分けられたら、思考が二重になってしまう。
メモには文書だけでなく、写真や絵や動画やいろいろなデジタルデータがある。それらを『くる』必要があるのである。

 いろいろな単発メモを検索して新しい発見ができなければ、蓄積したデータが価値をなさない。それを検索でとシステム屋は言うだろうが、検索結果が意図しないことを多く含んでいたならば、価値は半減する。必要十分な結果を出現させる方法を考えて欲しいものだ。それはシステム屋という職業の範囲を超えているのではないだろうか。

 記録や蓄積するだけではなく、データを活用する事を意識するならば、記録の方法から考え直さないといけない。デジタルトランスフォーメーションDXは企業の中での問題以前に、個人のDXが行われないと生産性は向上しないように思う。

ものづくりの言葉マスターの構築はデジタルトランスフォーメーションの前提である。

ものづくりにて使われる言葉の整理をすること

ものづくりシステムを開発する際に大事なこととは、技術者の言葉の解釈の差を解決することにある。企業においては独特な言葉を用いてエンジニアリングが行われている。その言葉は一組織にだけに通じる言葉であることも多い。また、その言葉はどのような分類に属する言葉であるかもあいまいであることも多い。


 ものづくり企業において、この言葉の整理が未だ確立できていないことが、技術の理解をする際の障害となっている。言葉があいまいであれば、その言葉を用いた数式はあいまいなものとなる。組織が自組織のための勝手な区分原理で仕事をするならば、企業全体のコストはどうなっているかを分析することもできない。分析では多面的な切り口が必要となるが、区分原理(分類)のあいまいなままでは、常におおまかなことしか掴むことができない。おおまかなことをより精緻に進めて分析をおこなうことで改革が進む。そのため、ものづくり企業における言葉の障害を取り除くための工夫が必要となる。

言葉の整理の方法


 まず、エンジニアリングに用いる言葉を技術的な表現と管理的な表現に分けて整理をする。技術的な表現も設計、生産技術、生産、調達、品質保証、サービスなどにより同じことであっても異なる言葉を用いている。言葉は文字になると少しでも異なりがあると違いがあるのではと心配になる。しかし、日常的な会話では、多少の違いがあっても、前後の会話からその言葉の意味することを理解し、あるいは確認しあうことが可能であるので、相互に理解ができる。文脈の理解をしているのである。


 文書化されたものの言葉の違いは、その前後の理解や確認をすることができないために、自分なりの理解を進めていく傾向にある。したがって、方言が多く存在する。このことを一度に整理統合することは大変難しいが、整理統合に向けた仕組みを活用することで将来的に統一的な言葉づかいのできる環境に変化させることができる。この言葉の定義はグローバル生産や知識の蓄積に大変重要なものとなる。エンジニアリングの辞書を作り上げることを継続的に行うことを意味している。


 この企業内でのエンジリアリング用語の定義と理解が進み、初めて、全体と部分との関係を区分する分類体系が整理できることとなる。この地味な仕事を組織機能として維持することは企業の財産を蓄積するために大変重要な仕事である。この業務をなくしては、エンジニアリングのIT化は実現できないと言っても過言ではない。

会計処理の勘定科目のようにすること


 会計処理の勘定科目のように、言葉の定義が標準化されていることで、企業の経営状態を比較することができる。この勘定科目の標準化無くしては、会計処置は全く意味をなさない。同様に、ものづくり企業の技術状態を比較することも必要である。お金の計算ではなく、技術の計算ができれば、企業内の技術進度や他社との比較など、グローバル企業間での競争における新たな視点が見つけられるはずである。 次に

体系化された言葉の単位で、ものづくりを比較すること


 製造業の幹部から、何故、あの会社はあのように儲かるのだろうかとの話を聞く。つまり、儲かる理由が分からないと言うことは、自社の儲かることの構成要因が他社と違うということである。比較対象できないから理由が特定できないと言うことである。


 自社の原価管理が大まか過ぎていることに気づかないのである。原価管理をより詳細化するには、より詳細な日常管理の仕組みが企業に存在しないといけない。それは単に、購入費がいくらであるこということではなく、購入費が適切であるかを判断できる技術を自社が保有し、その技術知識から、購入費の交渉が論理的に行えるのである。この判断できる技術を保有せずに、単に高いから下げよでは、いつか、サプライヤとの関係は技術関係が薄れていくことになる。

ものことを言葉の体系に落とし込むことを粘り強く行うこと


 さて、判断する技術を保有するには、その購入材あるいは購入部品についての性能、構造、加工法、品質、物流などのコスト構造が瞬時に取り出せる環境にあるが重要である。このようなことをその都度、調べ直しし、聞きなおし、聞く側も、答える側も都度担当者が交代し、その会話は10年前もやっていたという先輩諸氏の話もでるなどムダなことをずっと繰り返していることを理解すべきである。


 しかし、このことを解決しようと取り組んでも、1年で完了しない、成果がでないから、率先推進する管理者は現れない。管理者は注目されることだけに関心がある風潮がものづくり企業にはびこっている。


 コツコツとコア・コンピタンスを極めるという継続性に関心がない。技術開発は大変重要である。その技術開発のスピードを加速するには、技術の整理と共有が必須である。この地味な仕事を意識させずに実現できる仕組みをIT化する方法を研究し、1つの解決方法が知識管理システムである。

ものづくりの言葉のマスター化は知識の蓄積の基盤である


 重要なことは言葉のマスターである。技術の表現と管理の表現の言葉を整理し、知識体系を整備することである。技術の表現は何かを実現する目的と手段を表現する言葉が対象である。一方管理の表現は心配や問題を表現する言葉が対象となる。製品を開発する際には、実現したい製品をどのように設計するのか、その製品は安全であるか、その設計は問題がないかなどを表の目的と裏の心配の両面を意識しているはずである。


 そこでこの両面に属する言葉を言葉マスターとして定義することで、技術的な説明文は言葉マスターの単語の組合せとして記述できる。その言葉を用いて、言葉と言葉の関係性を記述することとしたのである。この言葉と言葉の関係性はエンジニアによるコミュニケーションでの確認事項そのものであり、この統一的な言葉を用いることで余分な範疇の思考業務を無くし、クリアな領域での技術検討が行えるようになる。
 

言葉マスターは弊社のCKWEB(知識管理システム)に機能が実装されています。